Sustainability
SYRINXの革小物事業は「もったいない」からの異色のスタートでした。
オーディオブランドとして創業したSYRINXは、革でできた柔らかなボディのスピーカーが特徴でした。音に良い革を探求し、巡り合ったイタリアのヴァケッタレザーは、エイジングによる色艶が見事なまでに美しい革です。しかし、スピーカーを製作すると端材が大量に発生します。
「いただいた命は大切に使い切りたい」
その想いから、端材を活用したレザーアイテムが始まりました。そのポリシーは、今もさまざまな取り組みに受け継がれています。
SDGsポータルサイト「スペースシップアース(Spaceship Earth)」にSYRINXのSDGsの取り組みについてのインタビューが掲載されました。
「SYRINX|「もったいない」から始まった革商品の循環型ビジネスとは」
1 チャリティープロジェクト
SYRINXでは、製品を通じた支援活動として、災害被災地や戦災地域への寄付を行っています。
Hitoe® Fold Aria -Bouquet- - 紛争地域への支援
SYRINXは、世界の紛争地域での人道支援のため、「Hitoe® Fold Aria -Bouquet-」をご購入いただくごとに、3,000円を日本赤十字社に寄附いたします。
色とりどりの花を一つに束ねるように、多様な価値観が共存する平和への願いを「Bouquet(花束)」に込め、世界に希望を届けませんか?
∞ Musubu® Key Case ∞ - 自然災害の被災地域への支援
SYRINXは2024年1月12日「∞ Musubu(むすぶ)チャリティープロジェクト∞」を立ち上げました。
チャリティー商品として「Musubu® Key Case」の売上金の全額を、
令和6年能登半島地震被災地への義援金として寄付いたします。
SYRINXは、これまでクラウドファンディング等により、多くの方々のご支援に支えられ育てていただきました。
被災地の一日も早い復興に向け少しでもご恩返しがしたい、という社員一同の想いをカタチにしたプロジェクトです。
2 モッタイナイ マーケット
SYRINXは、廃棄のない循環型社会を目指し、革質に特徴があるもの、廃盤品等の理由により、通常品では販売できない商品を「モッタイナイ マーケット」として提供しています。
SYRINXの革小物の原点である「もったいない」という想いに基づいた取り組みです。
3 どこでもショールーム
撮影や取材で使用したサンプル、返品商品、傷があるなどのB級品。その使い道のない製品を有効利用するために始めた取り組みです。サンプルがご自宅に届き、実際に数日間試用いただけるサービスです。
4 究極の端材活用
このアイデアの詰まった小さなキーケースは、大きな製品を抜いたあとの端材を有効利用し、できるだけ廃棄する革を減らすために開発しました。大きな端材が発生したときしか生産しませんが、廃棄される革を活用しているので非常にリーズナブルにご提供しています。
5 廃棄物の削減
財布に付属するダミーカード。財布を購入後は無用になり、廃棄される運命にあります。そのダミーカードも多機能な定規として捨てずに実用できるように工夫しました。
6 梱包の脱プラ
深刻な海洋汚染の原因となる不法廃棄されたプラスチック。革製品の梱包でも不織布やOPP袋が多用されています。
SYRINXは、OPP袋は紙のスリーブに、不織布は薄葉紙に変えるなど、これらのプラスチック利用をできるだけ減らしています。これを実現するには、お客様のご理解が不可欠です。保管・輸送時に外箱にアタリやスレの跡が着く場合がございますが、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
7 ペーパーレス化
革製品には、革の認証カードやメンテナンス方法の説明書が付属することが通常です。
しかし、SYRINXの製品には、基本的に紙の説明書が付属しません。必要な情報は、すべての直接メールでお届けしています。(特にご注意いただきたい点など、最低限の説明書を同封する場合もあります)
そうすることで、環境に優しいだけでなく、紙よりも、豊富で、わかりやすい情報を、タイムリーにお届けすることができます。
8 紙をリサイクルする
Hasamu® A4は、オフィスで廃棄されてきたコピー用紙の裏紙を有効利用するために生まれました。
裏紙なら、書き損じを気にせず、何でも自由に描くことができます。アイデアを練るのに大切なのは、ストレスなく描けること。裏紙は、その最適な選択肢の一つです。
9 SYRINX募金
SYRINX公式サイトでは、商品購入時の決済画面に「募金額」の入力欄があり、募金活動を行なっています。皆様からお預かりした大切なお金は、ウクライナ支援やトルコ・シリア地震支援へ全額寄付しています。
地道な活動かもしれません。しかし前に進むには、まずは始めること、そして継続することが大切だと考えています。これからも一歩一歩を積み重ねていく所存です。
10 北海道の森を守る
音楽家の故・坂本龍一氏が代表を務めていた社団法人more treesが推進する北海道のエゾシカの革。
北海道全域に生息するエゾシカは、繁殖力が強く、森の植生を破壊し尽くすまで増加しています。そのため、近年、毎年10万頭以上捕獲されています。しかしその皮は、散弾の銃痕や、処理の難しさ、野生の傷などの理由により、ほとんど有効利用されず廃棄されています。
天敵のオオカミを自分たちの都合で奪った私たちには、北海道の大自然の恵み「エゾシカ」の命を無駄にせず、尊重し、最後まで大切に使う責任があります。その想いから、エゾシカ革のスピーカー「LOG」が生まれました。
「LOG」は、その意義が評価され「ソーシャルプロダクツ・アワード2018 特別賞」を受賞しています。
「もったいない」と「いただきます」
牛や豚の革は、食肉加工された副産物の皮から作られます。革製品のためだけに命をいただくことはありません。そして、皮を廃棄すると、その過程で環境に大きな負荷を与えてしまいます。革は「もったいない」の精神を体現する環境に優しいリサイクル材です。
日本には「いただきます」という素晴らしい言葉があります。いただいた命に感謝し大切に使うこと、それは私たちの責任でもあります。
一方、牛の飼育に伴い発生するメタンガスは、地球温暖化に影響を与えます。対策も進みますが、代用肉の普及とともに、牛の飼育頭数は減少していくかもしれません。また、昨今は、革と並行して他の素材の可能性も研究されています。
SYRINXは、革製品を取り巻く動向に意識を向けつつ、食肉文化が続く限り、いただいた命に感謝し、革を大切に使い続けます。