「革」「レザー」は動物由来のみ、新JIS規格への対応
「革」と「レザー」の定義とJIS規格の変更点
2024年3月21日に制定された新しいJIS規格(JIS 6541:2024)により、「革」「レザー」という用語の定義が制定されました。これにより、「革」「レザー」という用語を、人工皮革・合成皮革・皮革繊維再生複合体以外の人工的な材料の名称に使用することは、JIS規格に適合しなくなりました。
欧州での動向とSYRINXの対応方針
JIS規格は業界の自主基準であり、法的強制力はありませんが、欧州をはじめとする地域では「革」「レザー」の用語を動物由来の天然皮革に限定する動きが広がっています。(欧州統一規格EN15987、国際規格ISO15115)
イタリアではこれらの規制が法制化されており、違反すると罰金が科されます。
私たちは革と革の代替素材の両方を扱うブランドとして、それぞれの考え方に理解を示すと同時に、消費者に誤解を与えない、透明性の高い環境づくりに貢献することを目指します。
具体的には、消費者の誤解や混乱を防ぐため、今後JIS規格に適合し、「ヴィーガンレザー」や「マッシュルームレザー」といった表現を改め、「ヴィーガン素材」「革の代替素材」「〜スキン」といった表現に改め、必要に応じて注釈を加えることとします。
JIS規格における革と代替素材の分類
JIS規格に基づき、革と革の代替素材は以下のように分類されます。
1 革(レザー)
動物の皮を腐敗しないように鞣したもの。
2 人工皮革・合成皮革
ポリウレタンやポリ塩化ビニルなどの合成樹脂を表面に使用した革の代替素材。石油由来のものだけでなく、その一部を植物由来に置き換えたものが含まれる。
例:アップルスキン、カクタス(サボテン)スキン、合成樹脂を含むキノコ由来の革の代替素材なども含まれます
3 皮革繊維再生複合体(通称 リサイクルレザー※)
革を粉砕したものを50%以上配合し、シート状に加工した革の代替素材。
※「リサイクルレザー」という用語を使用することは、JIS規定に適合していません。
サステナブルな革の代替素材の重要性
最後に、上記のJIS規格に含まれない「サステナブルな革の代替素材」について。
合成樹脂は生分解性などに環境に大きな影響があります。しかし、合成樹脂を含有しない革の代替素材は、上記のJIS規格ではどこにも分類されません。
具体例としてキノコやキノコの菌糸に由来する、日本のKINOLI、イタリアのMuSkin、ルーマニアの伝統素材Amadouなどが挙げられます。
SYRINXは、これらサステナブルな素材を積極的に取り入れることで、環境負荷を減らし、持続可能な製品づくりを目指します。